重心移動

Oct 21, 2026

JINENの「重心移動」は、脚や腕の重さに引っ張られて、下腹のあたりに感じる体の中心と全身が動くイメージを表します。手足だけを目的の場所へ運ぶのでなく、その重さの移動に下腹や胴体がついていく感じに注目します。「腕が動いたら、体の中心も運ばれた」というように、部分の重さと全身の動きを一緒に捉える言葉です。

腕を前へ伸ばす男性の二場面。右の場面では、腕の方向に下腹と胴体も続くことを矢印で示しています。画像を拡大
腕の重さが移る方向に、下腹や胴体も続く感覚を捉えています。

ここでは、下腹のあたりを体の中心として感じながら動きます。例えば、片腕を少し前へ伸ばすとき、手だけを遠くへ出そうとせず、腕の重さが移る方向へ下腹や胴体もついていく様子を確かめます。手、胸、骨盤がどう動いたかを見れば、「引っ張られる」というイメージを具体的な動作として捉えられます。

最初は、足裏を床につけて安定した椅子に座り、腕を楽な位置に置きます。片手を無理なく届く範囲へゆっくり出します。腕の重さを感じながら、その動きに胸や下腹のあたりがどう続くかを観察します。肩だけが前へ出る場合と、胴体の向きも変わる場合を比べてみます。動きは小さくても、参加する場所の違いを確かめられます。

参考記事→長い腕

次に、手を出す方向を少し横へ変えてみます。腕の重さに体の中心がついていくと考えたとき、胸と骨盤はどちらを向くでしょうか。お尻と座面の接触や、左右の足裏で受ける重さの感じも変わります。下腹だけを前へ突き出すのでなく、腕の動きに全身がどう応じたかを見ます。

脚の重さを手がかりにする場面では、一歩を小さく踏み出すときの変化を観察できます。安定した机に手を添えられる場所で、動かす脚と、床に残る脚を感じます。足を前へ運ぶのに合わせて、骨盤や下腹のあたりがどう移るか。足を着いたあと、体がその足の上へどう続くか。脚を大きく振らず、普段の小さな一歩から確かめます。

参考記事→股関節から動く

「引っ張られる」という言葉を使っても、腕や脚を投げ出す必要はありません。自分で速度を調整しながら、重さの移る方向へ体が続く感じを探します。立って行うのが不安なら座ったままの腕の動きにとどめます。痛みやしびれが出る方向へ進まず、転びそうなところまで体を預けないでください。

「ウェイトナビゲーション」は、JINENでは重心移動とほぼ同じ意味で使います。体の一部や全体の重さを使い、その移動に全身がどう続くかを感じます。手足や肋骨まわりから始める動きは、その具体例です。肋骨まわりからのワークでは、背骨が前後に波打つように動き、股関節や膝も続きます。どこから始めても、部分の重さと全身の動きを一緒に捉える点が共通しています。

科学的な補足

力学でいう重心は、体の各部に働く重力を一点にまとめて考えたときの代表点です。日常の範囲では質量中心とほぼ同じ位置として扱えます。手足や胴体の位置が変われば、全身の重心の位置も変わります。下腹の一定の点に固定されているわけではありません。OpenStax:重心と質量中心、静的平衡

JINENで下腹に感じる「重心」は、体を動かすときの中心のイメージです。力学上の重心を直接測った位置とは分けて理解します。また、足裏で感じる圧や床反力計で求める足圧中心も、全身の重心とは別の情報です。Caronほか:立位の足圧中心から重心を推定する研究

次に手を出すときは、腕の重さに下腹や胴体がどうついていくかを見てみます。一歩を出すときには、脚と一緒に骨盤がどう運ばれるかを感じます。手足だけを動かす見方から、重さに導かれて全身が動く見方へ広げられることが、この言葉を使う利点です。

関連する一般辞典

重心・床反力・姿勢制御

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