「中心から動く」とは、下腹や股関節のあたりを動きの中心として感じ、そこから始まった動きを背骨や全身へ伝えていくことです。JINENでは、手足や頭で先に形を作るのではなく、中心の動きが周りへ伝わる感覚を確かめます。四つ這いで背骨を丸めたり反らしたりすると、下腹や股関節のあたりから骨盤が動き、背骨、胸や頭へと動きが続く様子を確かめられます。
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四つ這いでは、両手と両膝を床につけます。手のひらと膝が床との接点になり、そこで体重を受けながら胴体を動かします。最初はいつもの四つ這いで、背中がどんな形をしているかを確かめます。手足の位置を動かし続けるのではなく、同じ接点を使って骨盤や背骨の動きに注意を向けます。
背中を丸めるときは、骨盤の向きが変わるのに続いて、背骨が丸くなる様子をたどります。腰の近くから背中、胸、首へ、どのあたりに動きを感じるでしょうか。頭を先に深く下げて丸い形を作るより、胴体が丸まるにつれて頭の位置も変わるのを確かめます。大きな形にしようとせず、動き始める場所がわかる程度から行います。
反るときも、骨盤と背骨の動きから見ていきます。骨盤の向きが変わり、背中の曲線が変わるにつれて、胸や頭の位置も変わります。首だけを強く反らしたり、腰の一か所へ曲がりを集めたりせず、骨盤から胸へ動きが続く感じを探します。丸める動作と反る動作の間では、一度いつもの四つ這いの形へ戻って確かめてもかまいません。
参考記事→背骨の3つの動き
この練習では、「どれだけ丸まったか」と「どこから動いたか」を分けて観察します。見た目の背中の形が似ていても、頭から動いたときと骨盤から動いたときでは、本人がたどる順番が違います。最初は骨盤、その次は背中というように、一回ごとに注目する場所を絞ると変化を追いやすくなります。
参考記事→末端優位と中心優位
手のひらや膝にかかる重さの感じも、動きの途中で確かめます。丸めるとき、反るときに、手と膝のどちらで強く重さを受けているでしょうか。床との接点を確かめながら、骨盤と背骨が動いている様子を見ます。手や膝の圧を決まった配分にそろえることより、胴体の動きと一緒にどう変わるかを観察します。
何度か往復したら、動きを止めていつもの四つ這いに戻ります。最初より骨盤の動く向きがわかるか、胸まで動きが続く感じがあるかを振り返ります。手首や膝に痛みが出る場合、しびれやめまいがある場合は中止してください。四つ這いを取りにくいときは、別の姿勢で同じ動きを学ぶ方法を指導者に確認します。
科学的な補足
背骨は椎骨や椎間板、関節が連なった構造で、首、胸、腰では関節の形や動きやすい方向が異なります。丸める・反る動作でも、全ての部分が同じ角度で動くわけではありません。JINENでいう「中心」は、この練習では下腹や股関節のあたりを動きの出発点として感じるための言葉で、体の重心を一点で示す名称ではありません。背骨の構造(OpenStax)
解剖学では、丸める方向の動きを屈曲、反る方向の動きを伸展と呼びます。これらの分類は動く方向を表します。一方、「骨盤から背骨へ伝わる」は、練習の中で動き始める場所と続く場所を捉える説明です。動きの感覚だけで神経や筋肉の活動順を決めることはできません。体の動きの分類(OpenStax)
次に背骨を丸めるときには、骨盤が動き始めたあと、背中と胸がどう動くかをたどってみましょう。反るときにも同じ順序で確かめます。完成した姿勢をまねるところから、中心で始まった動きが伝わる途中を感じる練習へ進めます。
関連する一般辞典
重心・床反力