「メルティング」は、体が溶けて床へ沈むイメージを使って、体の重さを床に預ける感覚を確かめる方法です。温まったバターや雪が少しずつ溶けるように、横になった体がじわっと広がっていく様子を思い浮かべます。
溶けるイメージで、重さを床に預ける
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「力を抜いて」と言われても、何をすればよいか分からないことがあります。そんなときは、背中や手足が床に触れている場所を感じながら、体が少しずつ溶けていく様子を想像してみましょう。大切なのは、深く沈もうとすることではなく、床との触れ方や体の重さに気づくことです。
メルティングのやり方
まず、仰向けで楽に休める場所を選びます。床が硬い、冷たいと感じるならマットを敷き、頭や腰がつらくならない姿勢に調整しましょう。手足は、呼吸を妨げず、そのまま楽に置いておける位置へ。頭、背中、骨盤、腕、脚のどこが床によく触れているかを感じます。
背中など一か所を選び、「ここが少しずつ溶けて広がる」と想像します。そのまま少し休み、床に触れている場所の圧や温かさを感じてみましょう。背中を強く押しつけたり、腰と床の隙間を無理につぶしたりする必要はありません。イメージしにくければ、「背中の重さを床に預けている」と言葉で思い浮かべてもかまいません。
肩を下げる、お腹をへこませる、脚の向きを直す。こうした調整を繰り返すと、休んでいる間も体の形を作り続けることになります。楽な位置が決まったら、しばらくそのまま休みましょう。呼吸は普段どおりに続け、無理に長く吐いたり、止めたりせず、床に触れる感覚に注意を向けます。姿勢がつらくなったら、楽な位置に変えてください。
背中と踵では、床に触れる広さも圧の感じも違います。左右の腕の重さを比べてみてもよいでしょう。全身を同じように沈ませようとせず、「右腕は重い」「背中は広く触れている」と、そのときの違いを感じ取ります。変化がなくても、無理に押したり力んだりせず、そのまま休んで終えましょう。
落ち着かなくなったり、息苦しさや痛みが出たりしたら中断し、目を開けて周囲を見る、楽な姿勢に変えるなどしてください。終えるときは手足を軽く動かし、周囲を確かめてからゆっくり起きます。休む時間は、気持ちよく過ごせる長さでかまいません。
動く前に、体の重さを感じる
ウェイトナビゲーションでは、体の一部の重さに全身がついていく動きを観察します。メルティングでは、横になって体の重さを床に預ける感覚に注目します。動く前に一度休み、「今、体のどこを床に預けているか」を知る方法として取り入れてみましょう。
科学的な補足
皮膚には、触れた感覚や圧を受け取る感覚受容器があります。床に触れているときも、背中や手足のどこに圧がかかっているかを感じ取っています。触覚情報を受け取る機械受容器(Purvesほか)
参考記事→機械受容器
米国の公的機関NCCIHは、物や風景を思い浮かべる方法をリラクセーション技法の一つとして紹介しています。イメージを使う点はメルティングと共通していますが、この資料はJINENの方法の効果を検証したものではありません。また、重さや温かさを感じるだけでは、自律神経の状態は判断できません。リラクセーション技法の種類と研究の概観(NCCIH)
参考記事→自律神経
「背中を預けられた」「脚の重さが分かった」。そんな感覚を確かめながら、楽な姿勢で少し休んでみましょう。
関連する一般辞典
体性感覚・筋緊張