脳・体・心の使い方を根本から変えたい方は、JINENボディワークの中心概念である10のキーワードを知っておくと、体の整え方の全体像がつかめて、解決につながります。
ここでは、JINENボディワークの内容を10のキーワードにまとめます。脳・体・心の働きを根本から変えていくJINENボディワークの中心概念です。
JINENの10のキーワード
① 上虚下実(じょうきょかじつ)
下半身が安定し、上半身がリラックスしている状態。武道・伝統芸能でも理想とされる体の在り方です。下が決まると上の力みが自然と抜け、首肩こりや過緊張が起きにくくなります。
→ Part1の「リラックスの土台」がそのまま上虚下実につながります。
② 自然(じねん)
「自ずから然り」と書きます。何かを付け加えて鍛え上げるのではなく、もともと体に備わっている機能を取り戻すという考え方です。JINENの名前の由来でもあり、引き算の哲学の核心です。
③ 動かされる ― 他力(たりき)
自分の筋力で動かす(自力)のではなく、重力・床反力・遠心力という外から借りられる力に動かされる感覚。自力一辺倒で疲れていた方が、他力を使えるようになると、同じ動作が劇的に楽になります。
④ 軽集中
100%何かに没頭するのではなく、つねに10%くらいの意識を自分の身体感覚に残しておくスタンス。前頭葉のブレーキが働き、脳の暴走や燃え尽きを防ぎます。仕事や対人で疲弊しやすい方ほど、もっておきたい感覚です。
⑤ 賢い体(身体知)
頭で考えて指示を出さなくても、体は無意識のうちに膨大な調整を行っています。意識(ロゴス)の指令ではなく、体(ピュシス)の自律的な働きを信頼するというスタンス。現代人は意識過剰になっており、賢い体の働きを邪魔していることが多いのです。
⑥ 地面とつながる ― グラウンディング(コネクト)
骨盤を立てて足腰を安定させ、地面とつながって反力をもらえる姿勢。これがあるとはじめて、上半身は本当の意味でリラックスできます。グラウンディングは抽象的な精神論ではなく、骨格と筋膜の具体的な使い方の問題です。
⑦ 全身の連動
小さな動きでも、本来は全身が連動して動いている。特に体幹(インナーマッスル・腸腰筋・横隔膜)が働き、四肢へと力が波のように伝わります。表層の筋肉でつくる動きと、連動でつくる動きは、外見が似ていても中身がまったく違います。
⑧ 自律の動き
無意識下の身体制御。意識と無意識のバランスが取れた動きです。意識ですべてを管理しようとすると体は固まり、無意識任せだと癖が出ます。両者のバランスが取れたとき、はじめて体は自由に動くようになります。
→ ⑤の身体知を、運動の文脈で言い換えたものでもあります。
⑨ 動きをたどる ― 発達と進化をたどる
赤ちゃんが寝返り→ハイハイ→立つ→歩く と発達していく順序、そして魚類→両生類→哺乳類→ヒト という進化の順序を、運動を通じてたどり直すという体系思想(生命往還)。これが進化のワーク(生→這→動→技)の理論的な土台です。
⑩ 力の流れ ― 地面 → 体の中心 → 体の末端

体の中を力が流れるルートがあります。地面からの反力が、足首・膝・股関節・骨盤・背骨・肩甲骨を通って、最終的に手や首へと届く。このルートが通ると、力みなく強い動きが生まれ、ルートが詰まると、どこかの筋肉だけで頑張る状態になります。
→ ⑥のグラウンディングと⑦の連動を、力学の言葉で説明したものです。
この10のキーワードが身についていくと
これらは個別バラバラの概念ではなく、ひとつの体の使い方の10の側面です。一つが立ち上がると、他のものも連鎖して立ち上がってきます。
身についていくと、こういう変化が起きていきます。
- 力みが抜け、長時間の動作でも疲れにくくなる
- 過緊張・首肩こり・腰痛などが起きにくい体になる
- 感情が揺らいでも、体が土台として安定している
- 何かに集中しすぎて自分を見失わなくなる
- 自分の体を自分で整える主体性が手に入る
これがJINENボディワークの目指している地点です。
なぜこれを概念にまとめたか
このようにキーワードという形にまとめたのは、正しい身体感覚や体の使い方と結びついた言葉が広まれば、よりよい状態で過ごせる人・伸び伸びと生きられる人が増えると考えているからです。
そういう人が増えていけば、社会全体ももう少し生きやすい場になっていくと思っています。
そのための活動がJINENボディワークであり、10のキーワードはそのヒントという位置づけです。
最後に
ここまでお伝えしてきた内容は、机上の理論ではありません。古武道(二天一流)の稽古と整体・ボディワーク指導の現場で、多くの方の体と向き合いながら、ボトムアップで少しずつ確かめてきたものです。
今日まとめた10のキーワードも、その積み重ねの中から自然に立ち上がってきたものです。