こんにちは。
先日メールで配信した、7月の最初の講義動画を記事にまとめました。
今回は、JINENボディワークが大切にしている基本の考え方、「心身の働きを整える」というテーマについて、詳しくご紹介しました。
脳・体・心は、つながっている
私たちの脳と体は、実体としての構造を持ちます。そしてその土台の上に、「心=認識のはたらき」が乗っています。心とは、体からのインプットと、脳による想像や指令によって生じる思考や感情といった機能のことです。
つまり、脳と体を整えることで、結果として心のはたらきも整い、向上していくのです。
- 姿勢や動作のレベルアップ
- 感情の落ち着き、豊かさ、幸福感
- 思考力や集中力の向上
これらはすべて、脳と体という「実体の整え方」によって導かれます。

JINENボディワークでは、こうした脳・体・心の三位一体の関係性に基づき、心身の働きを整える体操(ボディワーク)を中心としたメソッドを展開しています。
「JINEN(じねん)」という名前に込めた想い
「JINEN(自然)」という言葉は、もともと仏教由来の言葉で「そのもの本来のあり方」を意味します。英語の“nature”のように人間と対立する概念ではなく、人間も自然の一部であり、自然そのものであるという考え方に基づいています。
私は、人間の身体がもともと備えている機能を取り戻すだけで、心身のあり方を大きく変えることができると確信しています。ですので、「本来のあり方(じねん)」を目指すものとして、この名前を付けました。
つまり、何か新しいスキルを上乗せするのではなく、すでに持っている機能を回復・改善することこそが、JINENボディワークの目指す方向性なのです。
なぜ、心身の働きは乱れてしまうのか?
その理由は、現代人の生活スタイルと、人類が長い進化の過程で獲得してきた身体構造が一致していないこと(=ミスマッチ)にあります。

私たちの身体機能は、何十万年にもわたる狩猟採集時代に適応するように進化してきました。ところが、現代の都市型ライフスタイルでは、
- 長時間同じ姿勢で過ごす
- あまり歩かない、走らない
- 体を多様に動かさない
- ディスプレイを長時間見続ける
- 思考ばかりが多すぎる
といった方がほとんどだと思います。

こういった生活様式は、身体の本来の構造や働きと合致していません。そのため、自律神経の不調や慢性疲労、精神的な不安定さなど、さまざまなトラブルが生じやすくなるのです。
とはいえ、現代の生活をすべて捨てて原始的に戻ることは難しいでしょう。だからこそ、脳・体・心というトータルなアプローチで心身の健康を整える必要があるのです。
心身の働きを整えるには「体→脳」の回路を活かしましょう
現代人は、どうしても「脳→体」=命令や思考によるアウトプットに偏りがちです。
しかし、実は「体→脳」への感覚入力(インプット)を意識的に増やすことで、
- 神経や脳細胞の活性化
- リラックス状態の促進(脱力によるベクトルのシンプル化)
- 自然体な姿勢や動きの獲得
といった、全体の機能向上につながります。

このアプローチは、メンタル不調を抱えている方にも非常に有効です。また、スポーツをしていてメンタルを強化したいと願う方にも効果的です。
「身体感覚」が育つことで得られる3つの感覚
「体→脳」の回路を鍛えることで、身体感覚が豊かになります。具体的には、以下のような感覚が養われていきます。
1. 自己所有感 ―「私は私である」という実感
自己所有感とは、自分の身体・感情・行動が「自分のものだ」と感じられている状態のことです。
たとえば、緊張しているのに気づかず無理をしてしまうのは、体や心の反応を「自分のこと」として感じ取れていない証拠かもしれません。
逆に、「今ちょっと力が入ってるな」「不安を感じているな」と気づけるようになると、自分に合ったケアや選択ができるようになります。
このように、体を感じることから始めて、自分の状態を受け止める力=自己所有感を育てていきます。
2. 芯の感覚(グラウンディング)
「地に足がついている」「芯がある」といった感覚は、身体や心の安定感を示すものです。
不安なときや焦っているときは、呼吸が浅くなったり、体のどこに力が入っているか分からなくなることがあります。そんなときこそ、
- 足裏
- お腹
- 骨盤
などに意識を向けることで、「芯」のような安定した感覚がよみがえります。
これは姿勢や動作の安定だけでなく、感情の安定や判断力の向上にもつながります。
3. 自他境界 ― 適切な距離感を保つ感覚
自他境界とは、自分と他人のあいだに、ちょうどよい距離や区切りを持てる感覚のことです。
たとえば、
- 相手の感情に巻き込まれやすい
- 距離の取り方が分からず疲れる
- ネガティブな感情に飲み込まれてしまう
といった状態は、身体的な「境界感」があいまいになっている場合が多いです。
健全な自他境界があれば、「これは相手の感情」「これは自分の気持ち」と自然に区別できるようになります。この感覚は、身体の輪郭や重さ、空間の距離感などから取り戻すことができます。
実際にどう取り組めばいいのか?

では、これらの感覚や機能をどうやって身につければ良いのでしょうか。
JINENボディワークでは、以下の順序で実践することをおすすめしています。
ステップ① リラックスワーク
- 感覚の刺激を重視し、「感じること」にフォーカスしたワーク
- 自律神経を整える
- 体の重さを感じる
- 「感じる」回路をスイッチオンする
→ 5つの動画があり、1つにつき1週間かけて実践するのが理想です。もちろん、より時間をかけても構いません。
ステップ② 骨格コントロール
- 「体を分けて動かす」ことで、ボディマップを塗り替える
- 骨盤・背骨・肩甲骨など主要な骨の動きに注目
- 中心から体を使い、全身を連動させる感覚を習得
- インナーマッスルを活用する操作力を養う
→ 骨盤・股関節と肩甲骨は特に強い力を発揮でき、背骨は全身の動きをつなぐ重要な軸です。
ステップ③ ボディコントロール
- 全身の連動を活かし、より効率的な動作へ
- 立体的で多様な動きへと発展
- パフォーマンスや日常動作の質を高める
→骨格コントロールで磨いた個々の部位の動きを統合し、立体的、多様に、全身をコントロールできるようにしていきます。
まとめ
「心身の働きを整える」とは、単に姿勢をよくしたり、筋肉を鍛えるという話ではありません。
体・脳・心という相互に影響し合う働きを、本来の自然な状態へと整えることがJINENボディワークの核心です。
そのためには、「感じる」ことに立ち返ること。そして、地道にコツコツと、自分の体との対話を深めていくことが大切です。
皆さまの毎日が、少しでも自然で心地よいものになるように。このワークが、そのお手伝いとなれば嬉しく思います。
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