原始反射の影響とは?姿勢の崩れや過緊張の要因になるメカニズムと解決策

Jan 06, 2026

「運動神経が悪い」

「神経質な性格だと感じる」

「スポーツやダンスを習っているけれど、いつまで経っても動きがぎこちない」

「リラックスしようとしても、勝手に体が力んでしまう」

「ちょっとした音や刺激に、ビクッと過剰に反応してしまう」

 

こういった方は、実は努力不足や性格の問題ではなく、原始反射と関わる「脳と体の機能的なつながり」が原因かもしれません。

原始反射という子ども時代の「体の自動制御プログラム」が残っていると、過緊張や運動の不器用さに繋がってしまうのです。

今回は、なぜ大人になっても「勝手に体が反応してしまう」のか、その脳内メカニズムと、根本から動きを変えるための「脳の再配線」について解説します。

1. 動きを邪魔する「自動プログラム」

まず、ご自身の体にこんな特徴がないかチェックしてみてください。

  • バランス感覚が弱く、ふらつきやすい

  • 運動野日常生活で腕や脚ばかり太くなる

  • 「背骨を動かして」と言われても、どう動かせばいいか分からない

  • 姿勢を保つだけで疲れてしまう(過緊張)

  • 運動が上達しにくい

これらは、赤ちゃんの頃に使っていた古いプログラム=「原始反射」が、バックグラウンドで動き続けているサインかもしれません。

2. 【メカニズム】体の制御は「2階建て」構造

なぜ、赤ちゃんの反射が大人に残るのでしょうか?

ここで少し、脳の仕組みをお話しします。

人間の脳は、進化の過程で「古い脳」の上に「新しい脳」が重なるように発達してきました。

非常におおざっぱな説明ですが、

  • 1階部分(脳幹): 生命維持や反射を司る、原始的なエリア。

  • 2階部分(大脳皮質): 思考や複雑な運動制御を司る、人間らしいエリア。

というように、生存に必須の自動的・原始的な部分の機能(1階)の上に、高度な知的活動を行う機能(2階)が発達していくものだと考えてみてください。

これは進化の歴史とも、赤ちゃんから大人へという発達のプロセスとも重なっています。

生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ2階部分(大脳)が未熟です。

そのため、1階(脳幹)にある「原始反射」という自動プログラムを使って、刺激に対して反射的に体を動かしています(掌を握る、音に反応して手足を広げるなど)    

これが原始反射という、赤ちゃんの生存に必須の自動制御の機能です。

成長とは「1階」を「2階」がコントロールすること

成長するにつれて、2階(大脳)が発達し、神経回路が太く速く(髄鞘化といいます)なっていきます 

すると、2階の司令塔が「もうその反射は必要ないよ」と、1階の反射を抑制(ブレーキ)するようになります。

これを原始反射の統合といいます。

こうして、反射的な「自動の動き」が抑えられ、自分の意思で体を動かす「制御された動き」へと切り替わっていくのです。

3. なぜ大人になっても「反射」が残るのか?

しかし、ハイハイや寝返りといった基礎的な運動プロセスを十分に踏まなかったり、環境的な要因があったりすると、この「2階から1階へのブレーキ回路」が十分に完成しないことがあります    

すると、大人になっても1階(脳幹)の反射プログラムが抑制されきらず、微細な刺激で「勝手にスイッチが入ってしまう」状態が続きます。

  • 姿勢を保ちたいのに、反射で筋肉が固まる(過緊張)

  • 滑らかに動きたいのに、反射的な動きが混ざってギクシャクする

「頑張って意識(2階)でコントロールしようとしても、無意識(1階)が勝手に反応してしまう」という状態です。

土台のOSが古いまま、最新のアプリ(スポーツやダンス)を動かそうとしてエラーが起きているようなものです。

スマホ本体のOSのアップデートを怠ると、SNSアプリなどでも不具合が出やすくなりますね。それと同じだと考えてみましょう。

これは0か100かという問題ではありません。

グラデーションであるため、明らかに原始反射の反応が見られる大人もいれば(発達障害の方等に多いです)、なんとなく運動が苦手、姿勢が崩れやすい、体が不器用、といった方にも影響が見られます。

簡単にいえば「体をコントロールする精度」の問題ですので、一部の方の特殊な問題ではなく、多くの方に関わるものです。

4. 解決策:脳を「再配線」する

では、どうすればよいのでしょうか?

大人の脳にも「可塑性(かそせい)」といって、神経回路を繋ぎ直す能力があります

必要なのは、「1階(脳幹・姿勢制御系)」に働きかける基礎的な運動をやり直すことです。   

いきなり高度なスポーツや難しいヨガのポーズなど(2階を使う動き)をするのではなく、赤ちゃんが辿ってきたような「床の上での運動」「四つ足での運動」「二足での運動」といった基礎的な動きを行うことで、古い脳の回路を刺激し、ブレーキ機能を完成させていきます

この動きの中で、特に体幹のコントロール力を向上させ、段階的に脳と体の機能のつながりを発展させていくことができます。  

脳を育てる「基礎ワーク」の例

JINENボディワークでは、以下のような動きを通じて、神経回路の再構築(リワイヤリング)を促します。

  • 寝返り・転がり運動: 平衡感覚(前庭覚)を刺激し、空間の中での自分の位置を脳に再学習させます。

  • 四つ這い・ハイハイの動き:体幹(網様体脊髄路という姿勢を保つ神経)を活性化させ、手足と体幹の協調性を養います  

  • 背骨の波動運動(キャットカウなど): 背骨のしなやかな動きは、脳の緊張を解き、自律神経を整える効果もあります。

これらは一見地味ですが、脳にとっては「OSのアップデート」を行うための重要なプロセスです。

反射の影響が静まると、無駄な力みが抜け、まるで重りが取れたように体が自分の意思で自由に動かせるようになります。

また、昔は普通に動けていたという大人の方でも、加齢や運動不足によって体の制御能力は落ちていきます。

そうすると基礎的な体のコントロール力が落ちるため、姿勢が崩れやすく、関節を傷めやすく、さらには高次な脳の働きである思考力や感情の制御の劣化にもつながります。

難しい運動ではなく、段階的に「基礎的な動き」を身につけ、脳と体の機能的なつながりを発展させることが多くの悩み解決につながります。

ただし、これはただ何となくやると結局「癖」を強化するだけになってしまう場合が多いです。

さまざまなポイントがありますが、私はJINENボディワークというメソッドにこれをしっかりと詰め込み、誰でも自分で実践できるようにしました。

より多くの方の悩みが「簡単な運動」によって解決され、よりよく生きることにつながれば幸いです。

JINENボディワーク
オンライン教室
「リラックスボディラボ」

脳と感覚の再教育を通じて、
本来の「自然体」を取り戻すための会員制プログラム

詳しくはこちら